日本にゾウはいなかった!?~漢字のお話~

こんにちは。
左京区一条寺の個別指導塾 整心館一乗寺校です。
今日は漢字に関するお話です。
消息 しょういき…??
今日も一条寺校の小学生は一生懸命漢字の勉強中です。
「先生ー。これ(消息)って『しょういき』で合ってる?」
「ちゃう。それは『しょうそく』って読むんや」
「漢字って読み方多すぎ」
さて、なぜ漢字は読み方が多いのでしょうか。
訓読みと音読み
漢字には訓読みと音読みがあります。先ほどの例では「息」は音読みでは「ソク」、訓読みでは「いき」です。さて、そもそもなぜ訓読みと音読みがあるのでしょうか。
その秘密は歴史にあります。かつて日本には文字がなく、中国から漢字を輸入して学びました。その時、発音も一緒に日本に入ってきました。その時の音が音読みと呼ばれるものです。
一方で、元々あった日本語を、同じ意味を表す漢字にあてたのが訓読みです。例えば、もともと日本には山を表す「やま」という言葉がありました。そこで同じく山を意味する「山」という字も「やま」と読むようになったのです。
言い換えると、音読みは中国語そのまま、訓読みは翻訳と言えます。
行(ギョウ・コウ・アン…)
ここで話は終わりません。漢字辞典を見てると一つの漢字に複数の音読みがある漢字があります。例えば「行」という漢字です。「行間(ギョウ「)」「行動(コウ)」「行脚(アン)」。なぜこんなにたくさんの音読みがあるのでしょうか。
先ほど、説明したように音読みは、中国語の音をそのまま輸入したものです。しかし一口に中国と言っても大変広く、場所によって同じ漢字でも方言によって発音が変わります。また歴史的にも発音が変遷しているので、時代によっても発音が変わるのです。
つまり、音読みがたくさんあるのは、別の時代に別の地域から音を輸入したからなのです。
日本にゾウはいなかった!?
さて、ここまで漢字のお話をしてきて、漢字の中には訓読みがなくて音読みしかない漢字があります。例えば「象」という漢字です。象は音読みがなくて「ゾウ(ショウ)」という音読みだけがあります。
つまり、訓読みがなかったということはそもそも日本語には象を表す言葉がなかったと考えられるのです。もともと日本には象が生息していなかったから言葉もなかったのでしょう。
色々漢字の歴史を調べてみるのも面白いですよ。