【京大生オンライン】京大理系女子のオススメの本紹介~山内マリコ『あの子は貴族』~

京大生オンライン塾の原田です!
今回は、自分が読んで面白かった本を紹介します。
山内マリコ先生の『あの子は貴族』です。
映画化もされている小説で、
なかなか共感性の高い話でした。
①あらすじ
東京生まれ、東京育ちのお嬢様、華子は、
周りの同級生が結婚していくのに焦りを覚え、
お見合いを重ねるも、
自分にふさわしい人が中々見つかりません。
そんな中、自分と同じような、
東京生まれ、東京育ちのエリートの弁護士と出会い、
婚約します。
一方、田舎から猛勉強の末、
慶応義塾大学に合格したものの、
金銭的な事情で中退し、
苦労しながらも現在はIT企業で働く美紀は、
華子の婚約者の弁護士と大学時代からずるずると交流を続けており、
華子との婚約後に、二人で仲良く行動していたことが
華子に伝わってしまいます。
詳細を明らかにするため、華子と美紀は二人で会うことにします…。
という話です。
②感想
まず、私が共感したのは、地方出身の美紀の
境遇です。
彼女は、あまり教育熱心でない地域に住んでおり、
父親に自分の受験を否定されながらも、
一人で勉強を頑張って慶応義塾大学に合格しました。
しかし、上京してみれば、
東京出身のお金持ちとの格差を思い知らされてばかりで、
みじめになり、バイト漬けの日々を送ることとなります。
自分も地方出身で、心細く京大受験をしましたし、
実家も太くないので、
アルバイトと学業をうまく両立しながら、
比較的慎ましい生活をしているので、
まるで自分の話をされているかのようでした。
そして、そんな地方出身者からみれば、
何の苦悩もなさそうなお嬢様・華子も、
実はかなり悩みが大きい、というのは興味深かったです。
自分の家の発展のために婚約をしなければならず、
自分の意見がうまく言えず、
日々、自尊心を傷つけられながら生活している様子は
とても大変そうです。
全く立場の異なる2者の人生を疑似体験できるのは、
小説の醍醐味です。
そして、物語の後半で、そのような真反対の二人が対面するのですが、
この2人の対話がとても興味深いです。
立場が真反対なのに敵対せず、
新たな視点を得ていく姿には感嘆します。
そして、その後二人がどうなってゆくのかは、
小説で確かめてみてください。
◆まとめ
いかがでしたでしょうか。
『あの子は貴族』は読みやすい文章で、短期間で読むことが出来ますが、
とても満足度が高い作品だと思います。
ぜひ、本屋で手に取ってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
