【京大生オンライン】京大理系女子おススメ本紹介~『アルジャーノンに花束を』

京大生オンライン塾の原田です!
今回は私の大好きな本について語っていきたいと思います。
本のタイトルは『アルジャーノンに花束を』(作者:ダニエル・キイス)です。
この作品はジャンルとしてはSFなのですが、
とても泣ける話になっています。
日本でもドラマ化されていたり、
読売中高生新聞主催の「キミに贈る本大賞」を受賞し、
多くの中学・高校の先生に薦められた本です。
①あらすじ
この物語の主人公は知的障がいのある、
チャーリィ・ゴードンという青年です。
彼は彼の叔父の友人の経営するパン屋で働きながら、
大人の知的障がい者向けの学校に通っていました。
そんななか、いつも学校でお世話になっている
アリス先生という人から、
「知能を高める手術」を受けないかと勧められます。
この手術は、発明されたばかりで、
人間に対して行うのは、チャーリィが初めてでした。
タイトルにある、アルジャーノンという名は、
先に手術を受けたハツカネズミの名前で、
アルジャーノンは既に非常に高い知能を有していました。
長年ずっと、「賢くなって、いろんな人と仲良くなりたい」と
考えたチャーリィは手術を受けることに賛同します。
手術は成功し、チャーリーはIQ185の天才となるのですが、
彼はそこで思いもしなかった苦悩に遭遇してゆくのです…。
②作品の魅力:文体
この小説は、ずっと、
主人公チャーリィの書いた経過報告書で語られていきます。
つまり、冒頭部分では、
知的障がいのあるチャーリィが書いた文章でできており、
綴りのまちがいがたくさんあります。
これが、だんだんと普通の人が書いた文章、
インテリの書いた文章という風に変わってきており、
非常に面白くなっています。
日本語では、だんだん、
平仮名だらけの文章が難しい漢字で埋め尽くされてゆき、
この作品の雰囲気を表現するのに、
日本語はいい味を出していると言えます。
③作品の魅力:主人公の心情の描写の丁寧さ
この小説は、ずっと主人公の一人称で
語られているだけあって、
とても本人の心情が細かく書かれています。
暗い感情や過去のことなども
全て赤裸々につづられており、
読者は主人公の深部まで知ることが出来たような気持ちになります。
④作品の魅力:とにかく泣ける
私は普段は、泣けることを売り出す作品は苦手なのですが、
この本は泣けました。
冒頭で、主人公チャーリィは知的障がいがあるが、
とても優しい人であることが良く分かるように書かれています。
しかし、周りの人は、彼をからかったり、
悪意はなくとも、知らず知らず彼を理解しない行動をしていました。
私自身も、障がいのある人と、
どのように接してゆくのが良いのか考えさせられました。
また、終盤には、
怒涛のように涙が押し寄せる展開が続いています。
ぜひ、読んで確かめてほしいです。
◆まとめ
いかがでしたか?
『アルジャーノンに花束を』の魅力を少しでもお伝え出来ましたでしょうか。
この本は、もとは英語で書かれていますので、
そちらも読んでみると
日本語版との表現との違いが面白いのでお勧めです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
